O様邸納品
こんにちは。
今日は真夏の陽気。
川崎町も30度を超える暑さでしたが皆様いかがお過ごしでしょうか?
さて、先日お届けしたランプをご紹介いたします。
ガラスの工芸家ミューラー兄弟(MULLERFRERESLUNEVILLE)の3灯ランプです。
フランス、リュネビルのミューラー兄弟のガラス工房は、ガレの工房で修業したガラス工芸一家出身の5人の兄弟(アンリ、デジレ、ウジェーヌ、ピエール、ヴィクトール)を中心に設立されました。
ミューラー兄弟は10人兄弟でしたが、そのうちの5人がフランスのガラス工芸家の中でも非常に優れていたエミールガレの元でガラス製作の技術を学びました。
1895年に、三男のアンリがリュネビルにガラス装飾スタジオを構えると、すぐ後に他の兄弟も加わりました。
ミューラー兄弟の作品の多くはカメオガラスで、ガレを初めとするアールヌーヴォーデザインの自然をモチーフにしたデザインが特徴的です。
ミューラー兄弟は産業革命の時代に電気が普及していく中その流れをうまくつかみランプを中心に発展していきました。
第一次世界大戦に至るまで、ミューラー兄弟の工房では技術的に優れた独創的なガラス工芸品が多数製造されています。
第一次世界大戦でウジェーヌが戦死し、工場では生産が中止されました。
生き残った兄弟たちはハインツランに移り、ガラス製品の生産を開始しました。
当時生産された製品の多くは電灯の備品でしたが、一方でエキゾチックなデザインが特徴のガラスも製造されました。
後に流行の変化に伴い、アートデコ調の様式化された花模様や幾何学模様を含む製品も作り始めましたが、ガレの工房と同じく流行に追い付くのに遅れたことと世界恐慌が重なり1933年に工房は閉鎖されました。
ミューラー兄弟のランプには幾何学、朱雀、3色の色を配合して作られた被せガラスの作品が多く現在でもその明かりは幻想的な雰囲気に連れて行ってくれます。
ドーム兄弟、エミールガレ共にアンティーク照明やシャンデリア、テーブルランプを残していますがその中でも一番多いのがミューラー兄弟でありシャンデリア、テーブルランプの工芸家ともいわれています。
日本ではアールデコ・アールヌーボーを代表するガラスの工芸家は、エミールガレ・ドーム兄弟・ルネラリックがかなりの割合で認知されていますが、世界では上記の工芸家はもちろんのことミューラー兄弟、デュゲ、などの作品も見直されています。
これらの工芸家も、芸術性が高く日本でも見直しが始まっておりますので、アールデコ・アールヌーボーのガラス工芸家を語る上では見逃せないガラスの工芸家と言えます。
なかなか入手が難しい作家物の照明ですが、とっても素敵なお家に納められてうれしく思います。
O様改めましてありがとうございました!
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