ヴァセリングラスベース

こんにちは。

5月も最終週となりました。皆様いかがお過ごしでしょうか?


ここ数日はまた寒さが戻り、また冬服を手にしてしまう気温です。

週の後半には梅雨前線も北上してくるようで、少しずつ季節の移り変わりを感じています。

今日はそんな中でも国際宇宙ステーションが日本を通過するそうですが、お天気悪くて観測はできなそうですね。


気がつけば2000年代に入ってもう四半世紀過ぎてしまいました。

私たちのような過去を多く振り返る仕事にしている者たちにとっては100年前というのはとても身近ではありますが、アンティークと呼ばれる年代のもの、つまりは1930年頃、世界大戦以前と以後では大きく時代が変わったことは言うまでもありません。


ものに関して言えば、現代は効率化や利益を多く求めるあまり、粗悪なものが平然と流通し、拡散されています。

情報も溢れかえり、その恩恵を受ける反面、人々は大きな代償を払っているようにも感じます。今改めて、本質とは何かを立ちかえる分岐にきているような気もします。


でも、もちろん悪いことばかりではありません!

より自由な発想が生まれ、革新的なデザインや新たな取り組みへの前向きな発展もあります。


大きな時代の変化の中、人々の暮らしも大きく変わっていますが、アンティークたちは時代を超えて、私たちの暮らしを楽しませてくれます。


私は、人間の本能的な心地よさは、自然の中にあると思います。もちろん、文化的で人工的な美しさもありますが、自然本来の持つ癒しのエネルギーは言葉では測れないですよね。

アンティークに触れていて、感じるのはその素材の持つ魅力です。

デザイン性や、古美も魅力の一部ですが、やはり素材感は自然同様言葉ではなかなか伝えきれない物です。


ぜひお店に来ることがありましたら、アンティークが持っている魅力・質感を存分に感じてみてくださいね。

本日は、アンティークならではのこのヴァセリングラスベースをご紹介いたします。



オブジェとして佇むこの美しいガラス製品は、ただのガラスではありません。

それは、微量のウラン化合物を着色剤として加えることで、他に類を見ない魅惑的な輝きを放つ「ウランガラス」と呼ばれるヴァセリングラスです。

最大の特徴は、一般的な光のもとでは淡い黄色や黄緑色、あるいは琥珀色にも見えるのに、ブラックライト(紫外線)を当てることで、鮮やかな蛍光グリーンに妖しくも美しく発光する神秘的な現象です。


この幻想的な輝きは見る者の心を捉えて離さず、アンティークコレクターの中でも特に人気があります。


ウランガラスの歴史は、産業革命の只中にあった1830年代、現在のチェコ共和国にあたるボヘミア地方で幕を開けました。当時のガラス職人たちは、ウランがもたらす独特の色合いと、何よりもその蛍光性という魔法のような特性に魅了され、食器、花瓶、ランプシェード、置物など、多岐にわたる製品が生み出されました。その輝きは、ヨーロッパ各地の王侯貴族から一般市民までを虜にし、アール・ヌーヴォーの時代には特に人気を博しました。日本へも明治時代以降に輸入され、多くの人々を魅了しました。

しかし、ご承知のように20世紀半ばにはウランの戦略物資としての重要性が高まり、その利用が厳しく規制されるようになったことで、ウランガラスの商業生産は事実上終了しました。


これにより、現存するウランガラスは、当時の技術と美意識を伝える貴重なヴィンテージ品、アンティーク品として、非常に高い希少性を持つようになりました。現代では、その独特の輝きと歴史的価値から、世界中のコレクターが探し求める特別な存在となっています。


※ウランガラスに含まれるウランはごくごく微量であり、放射線量は極めて低く、一般的な日常使いにおいて人体への安全性は問題ないとされています。

国際機関や専門機関も、その放射線量レベルは温泉などをはじめとする自然界に存在する放射線量と比べても非常に低いとしています。

時を超え、私たちの想像力を掻き立てるウランガラス。この手の中にある輝きは、単なるガラス製品ではなく、歴史の一片、そして忘れ去られた職人たちの情熱と技術の結晶です。

コレクションに、この神秘的な輝きを加えてみませんか。

ベースとはありますが、ただオブジェとして置いておくだけでも楽しめます。

ペアでの販売になります。


SIZE(mm)

φ108 H267

φ104 H268

価格¥150,000-(税込¥165,000-)