エドワーディアンチェア
こんにちは。
師走も気がつけば半分過ぎ、下旬に差し掛かりました。
いよいよ2025年もあと半月ほどで終わります。
年々あっという間に月日が流れますが、
皆様にとっての2025年はどのような1年間でしたでしょうか?
米騒動や関税騒ぎなど、色々と政治的にも変化がありましたが、
皆様の生活も変わりましたか?
私たちが扱うアンティークというものはある意味普遍的なテーマを持ち合わせています。
現代において家具は、なくてはならない生活必需品です。
そして、アンティークはデザイン様式はすでに数百年の月日を経て生み出されたデザイン。
現代よりも、さらに潤沢に木材が取れた時代。
権力や財力があった、イギリスの繁栄期に製造されていて、贅を尽くした品であること。
手仕事による職人たちの技術の高さや芸の細かさが際立つこと。
そして、それらがまた今日当店に来るまでに、経年変化を帯びて、古美を纏っていること。
古いものを大切に受け継ぎながら使うサスティナブルな精神。
もちろんデメリットもあるかもしれません。
利便性や直しながら使う手間暇がかかります。
様々な選択肢がある現代だからこそ、
何にお金を使うか、どんなものを所有するか
=どんな生活を送りたいか、どんな自分でありたいかを見失わず
より豊かな、幸せな日常を。
2026年も更なる生活の向上のお手伝いができれば幸いです。
今日はこちらのチェアをご紹介いたします。
エドワーディアンチェアです。
20世紀初頭の英国王エドワード7世の在位期間に花開いたエドワーディアンは
ヴィクトリア朝の重厚さから一転し明るく優雅な雰囲気が特徴です。
ファッションではレースやシルクを用いた繊細なS字ラインのドレスが流行しジュエリーではプラチナとダイヤモンドを贅沢に組み合わせたガーランド様式が人気を博しました。
建築やインテリアも軽やかで洗練されたデザインへと変化した時代です。しかし第一次世界大戦を境に社会構造が激変すると装いの主役はアールデコへと移り変わります。1920年代に全盛期を迎えたアールデコはエドワーディアン特有の柔らかさと貴族的な優美さとは対照的に
直線的で幾何学的なデザインを追求しました。
工業化社会を反映した機能美や原色を用いた鮮やかな色彩が好まれ、女性のファッションも活動的なフラッパースタイルへと進化します。
この優雅な伝統美からモダンな革新への流れは現代のデザイン界にも大きな影響を与え続けています。
こちらのチェアは、そんなエドワーディアンとアールデコのちょうどいいとこ取りをしたようなデザイン様式になっています。
こうしたデザイン様式とは、はっきりとした境界線があるわけではなく
グラデーションになっています。
まさに現在もグラデーションの最中にいるでしょう。
時代の変化とはそのように移り変わるものです。
(ショッキングな事件や出来事があり、その日を境に、ということも時折あることも確かです。)
直線的でありながら、洗礼された上品さがあるチェア。
こちらのチェアはクラシックスタイルに組み合わせることはもちろんですが、
現代のシンプルモダンにアクセントで組み合わせることもおすすめです。
アンティークは人と被らない良さがあります。
インレイと呼ばれる象嵌細工や透かし彫りが、当時の技術の高さや、手間暇を惜しまないクラフトマンシップを感じます。
材質はマホガニー。
楽器などにも使われている高級木材の一つです。
シートは当店で張り替えを行いました。
元々の色をあまり変えずに、グリーンベルベットで上品に仕上がっています。
ちなみに現在、東京都庭園美術館(旧朝香宮邸)にて、アールデコジュエリーの催しが開催されています。
ぜひ当時の雰囲気や芸術をこの目でみてみてくださいね。
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