ルネ・ラリック 「Ormeaux 」プレート

こんにちは。

今日は車の温度計を見れば34度でした!暑いですね。

皆様のお住まいの地域はいかがでしょうか?

当店の所在している場所は、宮城でも山沿いになりますので、少しは風が清々しいかと思いますが、中心部のコンクリートジャングルではとても外歩けなそうな気温でしたね。


西側にお住まいの方はもっと暑いかと思いますが、本当に日本も亜熱帯のような気温になったものです。



本日はこんな暑い日に眺めたい涼しげなグラスウェアをご紹介いたします。



フランスのガラス工芸の代表格であるラリック (R.LALIQUE) パチネガラス プレート 「Ormeaux (オルモー)」です。


この美しいオパルセントガラスのプレートは、フランスの著名なガラス工芸家ルネ・ラリック (René Lalique) による作品です。

写真の「R.LALIQUE FRANCE」の刻印は、彼の存命中に制作された作品、すなわち1919年から1945年の間に製造されたものであることを示しています。


特に「R. Lalique, France」というサインは、この期間の作品で最も一般的に見られます。

「R」の有無: 1945年にルネ・ラリックが亡くなった後、息子のマルク・ラリックが事業を引き継ぎました。この時、「R」はサインから外され、多くの場合「LALIQUE FRANCE」という形式になりました。

「FRANCE」の文字は常に存在するわけではありませんが、1945年以降の作品にはほぼ必ず含まれるようになりました。

ルネ・ラリックはアール・ヌーヴォーからアール・デコへと時代が移り変わる中で活躍し、特にガラス工芸において革新的な技術とデザインでその名を馳せました。


初期には宝飾デザイナーとして活躍しましたが、その後ガラスの魅力にのめり込み、香水瓶やテーブルウェア、建築装飾に至るまで幅広いガラス作品を手がけました。


本作品は、ラリックの代表的なシリーズの一つである「Ormeaux (オルモー)」のデザインが施されています。

「Ormeaux」はフランス語で「ニレの木」を意味し、ニレの葉が互いに重なり合い、立体的に表現された繊細かつアールデコらしい幾何学的な美しさを持つ模様が特徴です。特に葉脈の表現は精緻で、ラリックの自然への深い洞察と卓越した造形力を感じさせます。

そして特筆すべきは、ガラスの表面に施されたブルーのパチネ(着色加工)です。


パチネは、ガラスの凹凸部分に色を定着させることで、モチーフの立体感を際立たせ、陰影による奥行きと風合いを醸し出すラリックの得意とした装飾技法です。


通常、パチネはブラウンやグレーといった落ち着いた色合いが一般的ですが、このような鮮やかなブルーのパチネは非常に珍しく、本作品の希少価値をより高めています。



光の当たり方によって様々な表情を見せる繊細な葉の模様と、深みのあるブルーのパチネが織りなすコントラストは、まさにラリックの芸術性の真骨頂と言えるでしょう。

また、色合いだけではなく質感は大量生産の品にはみられない柔らかみのあるガラスの質感があり、これはやはりアンティークラリック特有の質感かと思います。



テーブルを華やかに彩るボウルとして、または芸術品として飾るオブジェとして、この「Ormeaux 」のプレートは、ラリックの優れた芸術性と卓越した技術、そして希少性のみならず、ただただ美しいガラスの魅力を、今に伝える貴重な逸品です。


時の経過とともに増すその美しさと歴史の重みをぜひお手元でお楽しみください。

もちろん時間経過に伴う使用感がございます。

歴史の一部としてお楽しみいただければ幸いです。

価格は店頭にてお尋ねください。

サイズ:φ333 H50